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食育シンポジウム


 多田鐸介

多田鐸介(ただたくすけ)

1954年、1968年生東京都出身。18歳で渡仏して、ル・コルドン・ブルー・パリで学びパリのミシュラン星付きのレストランで料理に携わる。ル・コルドン・ブルー・パリ東京校開校とともに帰国、講師に就任。その後、目黒雅叙園、シャトーレストラン、タイユバン・ロブション、パークハイアット東京等を経て、ドイツの厨房機器メーカー(ラショナル社)においてフードアドバイザーとして7年間勤務。その間、病院食・介護食の現場にコンサルタントとして深く携わる。  2000年の九州・沖縄サミットには調理サポートスタッフとして参加。2002年11月ユリス麻布十番を開く。2006年閉店後、アンチエイジングメニューの開発、病院食、介護食に深く携わるアンチエイジングビジネスのコンサルタントとして全国で活躍。2007 年アンチエイジング理論に基づいた総合コンサルテーションでフード業界に革新を起こそうと事業展開。日本食農教育協会代表。また無添加無化学調味料の駅弁のプロデュースや地方の病院食のコンサルタントなど 勢力的に行っている。



日本の食に関する多田さんの問題認識を教えてください。

 戦後60年、安く作る/大量に作るということを追求してきた日本の食品業界が限界に来ていると感じています。例えば同じ大きさの100円のベーコンと100円の豚肉、同じ値段で売っていても、不思議に思わない人が多いと思います。実際はベーコンを作るのには調味料とか保存にコストや制作に手間がかかります。 同じ値段になるということは、そこにカラクリがあると感じてほしいのです。様々な添加物を入れたり、原材料を買い叩いたり、原産地を偽ったりしている可能性が高いということです。色々な工夫をして工業製品を安く作るのはいいけれど、いざ料理の世界では、キャベツはキャベツ、ベーコンはベーコンであり、加工するには時間や手間がそれなりにかかります。食品業界では、海外調達、標準化、生産効率を高めるだけといったやり方でのコスト競争が限界地点にきているのです。消費者にとって値段が安いことはいいことだけど、ただ安い物だけがすべてではないと思います。

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多田さんにとっての食育とは?

 世の中の“食育”には、少し誤解があるように感じます。まず、「料理のやり方」を教えるだけが食育ではないということです。食育とは「生命を育んで」「採取し」「加工し」「健康に食して生き抜く」といった一連のプロセスを学ぶことです。「料理のやり方」はその一部です。レストランをやっているときから農業に関心があり、月に数回茨城県のオーガニック野菜を作る農家に通っていますが、食育の出発点は食物がどういう過程で育つかを知ることだと実感します。 また、「精神論」や「生活習慣」の視点で食育が行われること多いのですが、非常に表面的で薄っぺらに感じます。私にとって、食育とは「科学」です。例えば食物の保存には、細菌の繁殖を抑える調味料を加えたり、天日干しや塩をふって水分を抜いたりしますよね。そこには、物理や生化学の知識がベースとなり、ものごとの理由や構造が説明されているのです。 最近は、政府や大企業が食育を盛り上げ、学校や家庭で取り組みが行われています。それはとても大切なことなのですが、抜けている重要な視点があります。「自己責任」という視点です。自分が食べた物の食べ重ねが、自分の身体を作り、自分の遺伝子に影響を及ぼします。。その結果として病気になることもあるし、命を落とす結果になる事もあり得ます。食生活によってはその人の寿命を決めてしまう事もあると思うのです。抗酸化物質やデトックスの効果のあるものを食べたほうがいいのですが、えてして高価なものが多いのですね。そこでいかに賢く食べるかが問われます。食べ物に気をつかわない人生を歩んできた人が40歳ぐらいで病気が発症したとき、自分の食生活を恨んでも遅いのです。これからは医療機関も健康保険も先々どうなるかわからない社会情勢、そして食べるということは人生にかかわり、自分次第でどうにでもなる、賢く食べることを学ぼう、というのが私の教えたい食育です。

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「抗酸化」と「デトックス」というキーワードがでてきましたが、それについて簡単に教えていただけますか?

 人間は生きている以上、必ず酸化されます。人間の祖先は微生物まで遡ることができ、その頃の生物にとって酸素は大敵だったと言われています。その後、自分に不都合な酸素と共存していく方法である「呼吸」を生物は身につけます。しかし、元々生物の細胞は酸素が嫌いなのです。過酸化物をたくさん食べると、免疫能力が下がり、だるくなったり病気が治りにくくなったりする。酸素は細胞やその遺伝子を傷つけやすいのです。抗酸化という考え方はこういった背景で発達してきました。 デトックスは毒を出すこと。例えば日本人はたくさん海産物をとりますが、それによって鉛などの有害金属も身体に溜まってしまいます。それを食べ物に結着させて、汗とか尿、便として外に出すのがデトックスです。現代の食生活ではある程度の“毒”が入るのは避けられないので、出す能力がポイントになります。 抗酸化にしても、デトックスにしても、それに良い食材や悪い食材を見分けて摂取していくことが大事です。例えば、野菜や果物の成分であるフィトケミカルには、抗酸化やデトックスの作用のあるものが多く、様々な研究が進んでいます。

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介護食やアンチエイジング食、病院食などのコンサルティングをされている中で、どのような点を指導されているのでしょうか?

 次食べることは治療です。酸化されていない良いものを食べることやその食べ物の組み合わせを設計することは治療になるのです。施設によってニーズは異なるのですが、基本となる考え方は、まず、「無添加」にしていくこと。化学系の調味料は酵素を減らす作用があるからです。また、「真空低温調理法」を用いることもポイントです。真空で調理されるから加熱調理中に酸素とふれあうことがない。真空低温調理法は味がしみ込み易いので調味料は七分の一で済みます。そこで、砂糖ではなくハチミツ、油にはエクスラバージンオリーブオイルなど、高い調味料を使うことが可能になります。 ちなみに、ハチミツやオリーブオイルは、昔は権力者への貢物でした。当たり前ですが、古くからの食べ物には化学調味料は入っていません。安全なものを口にするには、古来からの食品を見直すことが基本です。明治時代以前は、冷蔵庫なんてなかったけれど、疫病や食あたりはそんなになかった訳ですから。無添加でも工夫すれば保存もできるのです。もしあなたの家に冷蔵庫がなかったら、どうやって今の食生活を維持しますか? 私は駅弁のプロデュースもしていますが、日本で唯一の無添加にこだわった駅弁を作っています。普通の駅弁は保存料、着色料、合成調味料や防腐剤などの薬づけというのが日本の現状です。私のアプローチは、江戸時代の技法で、みりんや甘酒、梅酒、山葵、醸造酢などを使い、自然の酵素の力で腐敗を遅らせるのです。例えばお米に甘酒の絞りかすを入れて炊くと、おいしくかつ保存性もいい。甘酒は酵素のかたまりなのです。このように古くからある調味料でもできることはたくさんあります。

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店頭で買える「冷凍介護食」のプロデュースもされているようですね。

 新しく潟Gスアイティーという新介護食の会社を立ち上げました。今までの介護食はレトルト中心でしたが、美味しさに限界があるので、急速冷凍にしました。年をとると色々な生活や楽しみの制限が多くなるのですが、食事は大きな楽しみの一つですよね。食事までも制限されてしまうと、生きているモチベーションが下がります。少量でも高カロリー、かつ先程のフィトケミカルがたっぷり入っていて、食べていくうちに体が元気になっていく、そんな介護食を目指しました。自分がフレンチのシェフをやっていたときの技術も生かしています。フレンチの技法にフェッテとエマルジョンというのがあります。フェッテとは空気を入れ込むこと。口に入れて咀嚼をすると空気がつぶれ“香り”を感じさせます。エマルジョンは乳化です。乳化がきちんとできていると“口どけ”がよく、咀嚼が楽なのです。フランス料理は、元々貴族が食べているところを見られてはいけないという理由で、飲み込みやすい技術が発達しています。それが介護食とも通じる部分があるのです。 在宅介護が多くなっている中で、介護する人がいい意味で手を煩わせない状態をつくれる手助けになるといいと思っています。家で食べるご飯は重要ですからね。 今までは点滴や経管栄養をやったり、ミキサー食を流し込んだりというのが介護食のイメージでした。人間は経口栄養で設計されているので、口から食べることは医学的にも大事なことです。フレンチの技術、アンチエイジングと医学が結びついた新介護食を皆さんに知っていただいて、少しでも社会に貢献できればと思います。

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子供や若い世代に感じることやメッセージをお願いできますか?

 高校で食育を教えることがあるのですが、今の子供たちは、出来上がったもの(食品)しか知らない。例えば、パスタにかけるチーズ一つにしても、ブロックから削られるのだと知らず、最初から粉チーズになっていると思っている。自分が食べているものの作られる過程を知ることは、最低限重要ですよね。 アメリカでは、貧困層や知識層ではない層の子供が、大人になって病気になりやすいという傾向が明確になっているそうです。日本も同じだと思います。貧富の差はしょうがないのかもしれませんが、食育でボトムアップしていかないといけない。華美や贅沢にお金をかけなくても、賢く丁寧にかつ質素に暮らすことが長生きの秘訣であることを伝えていけたらと思っています。

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多田鐸介オフィシャルサイト

クリニカルフードプロデューサー多田鐸介氏のオフィシャルサイト。多田氏のの介護食は、フランス料理の特性(おいしく、目にも美しい料理)に抗加齢医学 の理論を導入した、世界的にも最新の介護食として注目されている。オフィシャルサイトでは多田氏の介護食の基本となるアンチエイジングやシニアソフトミールの詳細や 著書の紹介・講演依頼もできる。


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