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食育シンポジウム


 片岡護

RISTRANTE アルポルトシェフ 片岡護(かたおかまもる)

西麻布にある、リストランテ“アルポルト”のオーナーシェフ。日本総領事の公邸付きの料理人として1968年からイタリアで5年間勤務。暇を見つけては足繁くレストランに通い、その数は数え切れないほど。
帰国後は東京・代官山“小川軒”、南麻布“マリーエ”に勤務。1983年に今の場所で“アルポルト”を開店する。懐石風の小皿料理スタイルが特徴、イタリア料理ブームの先駆けとして知られている。
テレビ、雑誌、料理イベント、さらにはレストランプロデュースなど幅広く活躍中。シェフの人柄に集まってくるファンも多く、イベントでも人気が高い。



片岡さんが子どもの頃、どの様な食生活でお育ちになったのでしょうか

 A ご飯、お味噌汁、漬物を基本に、焼き物、煮しめ、刺身などの和食が中心の食生活でした。コロッケなどもありましたね。もちろん、すべておふくろが作ってくれたものです。  当時、僕が中学生頃まで実家は学生の下宿屋を営んでいたので、下宿人たちの食事もおふくろが作っていました。大家族のような暮らしでしたね。  おふくろが作ってくれたメニューで大好きだったのは、八つ頭の煮物かな。いわゆる芋の煮っころがしです。それから、漬物。ぬか漬け、たくあん、白菜漬け…どれもおいしかったなぁ。冬になると、おふくろは、漬物を樽で漬けていましたね。  戦後の日本が貧乏な時代ですから、チーズも知らなかったし、パンにバターを塗ることが、かなり贅沢な時代でした。でも、ご飯一粒まで、物を大切にしていた時代でもあったと思います。

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ご自分のお子さんにはどの様な食育をされましたか?また、食を考える上で大切な事は何だと思われますか?

A 僕は娘にも息子にも、特別何も教えてはいません。しかし、子どもは皆、親の姿を見て育つのだと思います。ですから、「食」に対する僕の姿勢は見ていると思います。息子は、大学進学か料理人かさんざん迷って、その結果料理人の道を選びましたが、僕は「料理人になれ」なんて一言も言ったことがありません。多分、息子は僕の姿を見ていたから料理人の道を選んだのだろうと思っています。  「食」を考えるうえで、「愛情」はとても大事なことだと思います。「愛情」なくして料理はできませんから。これは、言うまでもないことです。でも今、この「愛情」という言葉を何度も言わなきゃいけない時代になっています。主婦として家庭にいるのに、食事作りに手を抜くお母さんが増えているのは事実ですね。 毎日きちんと手抜きせずに食事を作るのがベストですが、僕が言う「愛情」って必ずしもそういうことじゃないんです。例えば、共働きのご家庭では、忙しくてきちんと食事を作れない日だってあるでしょう。そんなとき、たとえばインスタントラーメンの食事になったとしても、そこにちょっとしたサラダと冷奴ぐらいつけて、「今日は忙しくて、お母さんこれしか作れなかったけど、ごめんね。今日は我慢してこれを食べてね」って言って出すのが、愛情だと思うんです。  

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今の日本の食の問題点をどの様に捉えていらっしゃいますか?また、どの様に改善していったらいいと思われますか?

 A マスコミや料理教室で展開していること=お母さんたちが求めてることって、ファースト・フードなんですよ。「5分でできる」とか「簡単」とか、あまりにも追求しすぎているかなと感じますね。この風潮が、今の世の中をこんな風にしている気がします。  でも、今の時代に、「ゆっくり時間をかけて健康にいい食事を作りましょう」「毎日スロー・フードを作りましょう」と言っても、立ち行かない部分があります。現実的じゃないですよね。  だから、僕は、ファーストとスローを組み合わせればいいと思うんです。今日はファーストで行こう、明日はスローで行こうって。毎日新幹線に乗らないで、たまには各駅停車に乗って行きましょうってことです。食事も同じだと思うんですね。今日は、急いで簡単に作ろう、明日は手間隙かけようっていう日、両方あっていいんじゃないかと思います。  昔は生きるための「食」だったし、昔のお母さんたちは、「おふくろの味」という自分の表現を持っていました。でも、現代のお母さんたちは自分の表現を捨てているように見えます。現代のお母さんたちには、意識してクリエイティブになってほしいなと思いますね。この大事な部分が、あまりにも失われているんじゃないかな。  今は、物を捨てなきゃ家の中がキレイにならない時代です。物を捨てるということは、無駄が多いということ。つまり、環境汚染も進むことになります。大切なことなんですけど、物を大事にすることは、環境にも優しいってことなんです。だから、食べ物も腐らせないで有効利用することが大事。飽食の時代といわれる豊かな時代だからこそ、こういうことを我々は発信していかなきゃならないと思いますね。  そんなふうに考えていたら、先日、服部幸應先生からこんな話を聞きました。「片岡さん、知ってる? 日本は世界で一番物を捨ててる国なんですよ。毎日、日本が捨ててる物をお金に換算したら、何兆円にもなるんです。」確かに、コンビニはある一定の時間が過ぎたら、食べ物を捨てるし、家庭でも消費期限が切れた商品は捨ててしまう。日本が捨てている食べ物があったら、地球上で餓死する人はいなくなるそうです。少しでも無駄をなくして、物を大事にし、有効活用しようという気持ちを、多くの人々に芽生えさせることはとても重要だと思いますね。

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今後、片岡さんが教えていきたい食育とはどのようなことですか?

 A 「食」は、その家庭家庭で違いますし、100人100様の考えがあっていいんです。ところが、日本人はひとつの考えに影響されてしまいがちです。僕が言っていることは、100%じゃない。あくまでも僕の考えであり、僕が暮らしている環境の中で言っていることなんですね。だから、「片岡さんはこう言ったけど、こういう考え方だってある」というふうに考えてほしいんです。つまり、その家庭の食事スタイル、生活スタイル、経済状況、職業、住環境(山の側か海の側か、都市か地方かなど)によって、自分たちの家庭の食生活の特徴を保ちながら、バランスをとってください、と僕は言いたいです。  たとえば、一日中パソコンの前に座って仕事をしている人と、肉体労働をしている人とでは、必要な栄養素やカロリーは違うわけですよ。パソコンの前に座って仕事している人には塩分控えめのホッとできるような食事がいいと思うし、肉体労働の人にはある程度塩分も必要だしパワーのつく食事がいいと思うんですね。このように、自分たちなりの尺度を持って、自分の家庭の「食」を作っていってほしいと思いますね。

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リストランテアルポルト

東京・広尾にある1983年開店の片岡譲シェフの店。イタリアンを日本人向けに素材と味をアレンジした料理が味わえる。また、1品あたりの量も手ごろでコースすべての料理を堪能できる。 国内では最高峰の料理を、一番高いコースでも12、600円で味わえるのは、片岡シェフの人柄そのものであると考えられる。 片岡シェフが、お店に居る時は、VIP問わず各テーブルにお伺いを立てるところもすばらしい。 他にもシェフがプロデュースを手がけた、イタリア料理と日本の丼を合体させた『ドンアルポルト』、リーズナブルで本格的な料理が楽しめる『トラットリア アルポルト』がある。


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